> NEWS > 事業再構築補助金...
NEWS新着情報
こんにちは、シザコンサルティング代表の川原です。
6月18日に事業再構築補助金(通常型)の採択結果発表がありました。
事業再構築補助金事務局からは「事業再構築補助金第1回公募の結果について」という結果分析資料が公表されていますので、こちらを見ていきましょう。
>>>>事業再構築補助金第1回公募の結果について

この資料の中で、今後の応募に向けて気になった箇所について触れていきます。
第1回公募の応募と採択結果
第1回公募では、22,231件と多くの応募があり、8,061件が採択されました。
まず気になるのは、要件を満たさなかった割合が13%もあることです。
これらについては、頑張って申請したにも関わらず、審査すらされていません。
初めての補助金で、また要件も分かりにくい補助金であったことが原因でしょう。
今回の補助金はやや定性的な要件もあります。
必要書類の添付といった事務処理の他、要件を満たしていることの丁寧な説明などに一層気をつける必要があるでしょう。
採択率としては
・全体で36%
・緊急事態宣言枠で55%
・通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠で30%
です。
緊急事態宣言枠では半分以上、要件を満たしていれば66%と非常に高い採択率となりました。
一方で通常枠他では、厳しい採択率となりました。
ここまで採択率に差があると、もはや違う補助金では、と言いたくなるほどです。
当初は、中小企業支援策ではなく、構造改革の一環として出来てきた補助金ですが、途中からコロナ禍での中小企業支援的な要素が入ってきたという経緯もありますので、その辺りが反映されているのでしょう。
緊急事態宣言枠の募集は2次までと言われていますので、主戦場は通常枠に移っていきます。
しっかりとした申請書を作っていかなければ通らない補助金ということが結果からも明確になったと言えるでしょう。
予算については、必ずしも使い切ることを前提にしない方針であるようです。
昨年度のコロナ対策補助金のように、募集回数を重ねるたびに採択率が低下していくというよりは、年間を通じて、絶対評価に基づくある程度、安定した採択率が続くのではないでしょうか。

業種別の応募と採択割合について
申請者の割合として、製造業23%、食博・飲食サービス業18%、卸売業小売業15%、と続いています。
従来からある代表的な中小企業向け補助金であるものづくり補助金では大半が製造業であることを考えると、その他事業者にとって応募しやすい補助金であったと言えます。
機械設備だけでなく、建物や広告費なども幅広く対象にできることが原因であると思われます。
応募件数と採択件数の比較でみると、製造業の採択率は全体に比べてやや低かったものと思われます。

応募金額・採択金額の分布について
応募金額の分布をみると、100~1,500万、または4,500万以上が多くなっており、二極化している様子がうかがえます。
少ない金額は恐らく緊急事態宣言枠が大半でしょう。
応募金額と採択金額の分布を比較すると、金額が高いから通りにくいということも無いようです。
金額が高い分、しっかりと申請書を作り込んだり、または組織そのものがしっかりしていて申請書作成能力が高いといった背景もあると思われます。
審査に関しては、色々と噂レベルの情報や都市伝説も飛び交いますが、公表されている審査項目に基いて審査員は審査します。
それ以上でもそれ以下でもありませんので、変な噂にまどわされず、とにかく審査項目をしっかりと読み込み、一つ一つにアピールできる申請書を作り込んでいくようにしましょう。

認定支援機関別応募・申請・採択状況
認定支援機関別の応募状況も公表されています。
応募としては金融機関、税理士関係、商工会・商工会議所の順のようです。
採択後のフォローが必要なこともあり、頼みやすい身近な存在に依頼されているといった背景が伺えます。
採択率としては、中小企業診断士、民間コンサル、地銀などが高いとなっています。
恐らく、これらの認定支援機関がついているところは、ビジネス支援のプロが早い段階から計画書作成を支援していたのではないでしょうか。
地銀に関しては、比較的金額の大きな企業が多いでしょう。
地銀の確認書が添付されたということは、それなりにしっかりした申請書のみが応募されているはずなので、採択率が高くなったのではないでしょうか。
ただし、弊社も認定支援機関ですが、可能なところは、認定支援機関を金融機関にお願いしています。
金融機関からのご紹介案件が多いこともありますが、直で依頼を受けた案件についても金融機関にお願いするようにしています。
それは、リスクの高い取り組みにチャレンジするにあたり、実施後の資金面の支援を含め、計画段階から巻き込んでおきたいからです。
また、金融のプロの目からアドバイスもいただけます。
さらには、資金調達のメドという審査項目に関しても、金融機関の理解が得られているという客観的な証拠を提示することができます。
認定支援機関の種別は審査自体には関係ありませんし、申請支援者と認定支援機関が同じとは限りませんので、あくまで参考程度にされると良いでしょう。

再チャレンジに向けて行うこと
採択された皆さま、おめでとうございます。
不採択だった皆さまの中には、再チャレンジを考えておられる方もいらっしゃるでしょう。
再チャレンジに向けては、以下の手順で臨まれることをお勧めします。
①不採択理由を事務局に確認する。
➁自分またはほかの人に実際の審査項目で採点してもらう。
同じ申請書を出しても同じ結果になる可能性が高いです。
しかし考え方を変えれば、弱い部分をプロ審査員の目で一度見てもらっている状況で臨めるのですから、初チャレンジの案件より圧倒的に有利なはずです。
ぜひブラッシュアップして再チャレンジを去れることをお勧めいたします。