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この記事では、貸借対照表を見るポイントについて説明をしていきます。
>>>「貸借対照表とはなんぞや?」と言う方はこちらの記事をご参照ください。
この記事を最後までお読みいただくと、貸借対照表をチェックするポイントが理解できます。
貸借対照表をチェックする4つのポイント
貸借対照表を見るポイントは4つあります。
まず、この4つをしっかり押さえていただければ
貸借対照表の分析はしっかりできていると考えていただいて大丈夫です。
1つ目が調達のバランス
2つ目が短期の調達と運用のバランス
3つ目が長期の調達と運用のバランス
そして4つ目が現預金の水準です。

調達のバランス
まず1つ目、調達のバランスです。
これは貸借対照表を真ん中でバサっと切り、
この右側、負債の部と
純資産の部だけを見ていきます。
貸借対照表というのは
左側に運用、右側に資金の調達を表しています。
この資金の調達を見るというのが
①番の調達のバランスになるわけです。
端的に言うと、
経営に必要な資産を、どれくらい自分の返さなくて良いお金で賄えているのか
そしてどれぐらいを他人に返さないといけないお金に頼ってるのか
これを見ていくということです。
代表的な指標は自己資本比率です。
当然ながら、この純資産の部の割合が多い方が
経営的には安定します。
一方で、経営のスピードということを考えると、
負債、他人のお金をうまく活用して
事業展開のスピードを早めたり
スケールアップを図っていくということも重要になってきます。
従って何%が理想だと一概に決めつけるのは難しいですが、
会社の安定性という意味では
中小企業においても30%以上は自己資本比率がある方が望ましい
と言われています。
いずれにせよ、この調達のバランスを見ることで
会社の経営に必要な資産を
どんなバランスで調達しているかがチェックできます。
まずはこれを見るようにしてください。
短期の調達と運用のバランス
2つ目が短期の調達と運用のバランス。
今度は貸借対照表を上と下に切り、上だけを見るイメージです。
具体的には流動資産と流動負債のバランスを見ます。
流動という言葉がつくということは
短期的にお金になることが期待できる資産
あるいは
短期的に支払わないといけないという負債
という意味です。
これを比べることによって
短期的に返さないといけない流動負債を
短期的にお金になることが期待できる
流動資産でどれぐらい賄えているかということを
見るわけです。
なので流動資産よりも流動負債の方が多いと
短期的に支払いができないというリスクが
高いと判断します。
これによって短期的な資金ショートのリスクが
どれぐらいあるかということを
見ていくということになります。
長期の調達と運用のバランス
3つ目は長期の調達と運用のバランスを見るということになります。
貸借対照表をまたバサっと真ん中で横に切り、今度は下側だけを
見ていくということになります。
ここでの基本的な考え方としては、
固定資産という基本的にはお金になることが期待しにくい資産
この資産を理想的には純資産という返さなくていいお金で調達をしたい。
ただし、日本においてはなかなか出資でお金を集めてこれる企業は少ないので
ゆっくり返していけばいいお金、つまり固定負債。
この固定負債と純資産を合わせたもので
基本的には固定資産を賄うのが望ましいという
考え方になるわけです。
先程、短期の調達と運用のバランスを見たときは
左側の資産が多い方が安全だと判断したわけですが、
今度は、
この固定資産と右側の固定負債と純資産を足したものを比べ
右側の調達側が多い方が安全性は高いと判断することになります。
その点を注意するようにしてください。
現預金の水準
そして4つ目が現預金の水準です。
結局、いざという時に頼りになるのは
いわゆる現物、現生なわけです。
つまり、
現金、預金がどれぐらいあるのかというのが
やはり非常に重要になってくるわけです。
例えどれだけ自己資本比率が高くても
いざという時に資金調達ができるとは限らないので
資金ショートしてしまうかもしれない。
会社というのは、いくら純資産が減っても倒産しないですが
現金預金がなくなったら倒産します。
なので、最もリアリティのあるチェックポイントとして
絶対に見ておかないといけないポイントということになります。
ではどうやって見るか。
貸借対照表だけでは判断しにくいので、
月商とのバランスで見ます。
基準としては、できれば少なくとも月商の1カ月分、
理想的には月商の3カ月分くらい現金預金があれば
十分な水準と言えるでしょう。
いざというときに耐えられるだけの現金預金を保持しているか、
これが最後のチェックポイントということになります。
この4つのポイントを上記観点に基いてチェックすれば
会社が存続する上でのリスクをざっくりおさえられますので、
ぜひ覚えておいてください。
※記事の内容を解説した動画はこちらです。
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