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2021-02-23
事業再構築補助金の概要のポイント解説
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(この記事は2021年2月22日に更新しました)

こんにちは、川原です。

2月15日に「事業再構築補助金の概要」という資料が中小企業庁から公表されました。


これまで不明であった点などがかなり織り込まれており、文字通り概要版といって良い内容になっていると思います。

重要な資料ですので、ぜひ一通りしっかりと見ていただきたいところですが、ここでは、これまで公表されていた「チラシ」からの追加点を中心に簡単に解説をしたいと思います。

1.事業目的、申請要件です。

事業の目的や基本的要件は変更がありませんが、

補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。」

という点が追加されました。

金額の大きい場合は、より強く金融機関の関与を求めています。

確実な資金調達、初期投資だけでなく事業実施フェーズにおける運転資金等の支援についても支援が得られることが重要であるというメッセージと取れます。
また、従来の補助金ではそれほど精度の求められなかった数値計画についても、よりしっかりとした作り込みが必要になる可能性を感じます。

2-1.予算額、補助額、補助率です。

このページにおいては
補助金の公募は、1回ではなく、令和3年度にも複数回実施する予定です。
という点が注目です。

大方の予想通りではあると思いますが、一回の募集ではなく複数回実施となるようです。
個人的には「締め切りなしで早いもの勝ちになるのでは・・・」という可能性もあると思っていましたので一安心です。

2-2.予算額、補助額、補助率です。

ここでは、緊急事態宣言で影響を受けた企業の取り扱いについて記載されました。

緊急事態宣言で影響を受け、上記要件(通常の要件に加えて、令和3年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少)に当てはまった企業には二つの方法があります。

①通常枠で応募し加点措置を受ける
➁緊急事態宣言特別枠に応募する

 緊急事態宣言枠は補助率が高いですが、一方で補助金額の上限が小さく設定されています。
狙う金額の大きさによって、①か➁を選択されると良いでしょう。

3.中小企業の範囲、中堅企業の範囲です。

ここでは、中堅企業の範囲が追加されました。
中小企業の範囲は記載の通り、他の補助金と同様に法定中小企業か否かでの判断となります。
中堅企業が新しく出てきた概念です。

「中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社(調整中)」

とあります。資本金10億円以上の企業は申請の対象外ということになりそうです。

4.補助対象経費です。

ここでは、対象経費、対象外経費の例が示されていますが、特に対象外経費の例が参考になります
まず、自社の社員にかかる人件費や旅費は対象外になります。ものづくり補助金では派遣社員も対象外(事務局宛確認)となっていますので、同様の扱いになる可能性が高いと見ています。
また、不動産の取得費用は対象外となっています。建物を建築したり改装したりする費用は対象となりますが、取得費用は対象外となります。
また、株式も対象外となっていますので、M&Aでの企業買収資金などは対象外ということになります。(取得資金は対象外ですが、その企業自体で行う取り組み自体は対象となります)
汎用品や販売する商品の原材料等が対象外となるのは他の補助金と同様です。

さらに「本補助金は基本的に設備投資を支援するものです」とあります。従って、ものづくり補助金と同様に、一定金額以上の設備投資は必ず含まれていないといけないという要件になると思われます

また、補助対象経費が「主要経費」と「関連経費」に分かれています。
恐らくですが、関連経費は「全体の〇分の1までしか計上できない」といった縛りが設けられることになるでしょう

ところで、補助金は汎用的な用途への支出は基本的に対象外なので、例えばキッチンカーであれば、車両部分は対象外でキッチン部分は対象になる、といったようなことになるでしょう。
また、建物においても、金額が大きいかつ汎用性が高いだけに、その必要性はしっかりと訴求しなければいけないことになるでしょう。

5.事業計画の策定です。

審査のキモとなる部分です。

「合理的で説得力のある計画を認定支援機関の支援を得ながら策定する」

ということになっています。

資金使途を縛られなかった給付金とは異なり、しっかりした資金使途、実現性、将来性、などが客観的に見て評価できるビジネスプランになっていなければなりません。
絵にかいた餅ではなく、より事業の趣旨にあった取り組みを力強く実行してくれる企業を選別して支援したいという政府の意図が表れているように思います。
また、認定支援機関の関与を求めることで、補助金申請に慣れてる慣れていないではなく、よりプランの中身自体で採否を決めたいという意図があると思われます。
しかしながらこれは逆に言えば、より詳細なプランを求めることで、事業計画書の出来次第で合否が分かれるということにも繋がるでしょう。

「ポイントの例」で示されている項目は、一般的な事業計画の内容からしても、過去の補助金の内容からしても、妥当なものであると言えます。
ポイント例として記載されている項目+政策性としての地域経済への貢献及びイノベーションの促進。
これらの観点から事業計画の下書きは今から始めておきたいところです。

補助金申請のためというだけでなく、実現性の高い事業計画を立てるとても良い機会ととらえ、認定支援機関や金融機関の客観的なアドバイスを得ながら、ぜひ取り組みの成功確率を高めていっていただきたいと思います。

6.補助金支払までのプロセス、フォローアップです。

ものづくり補助金と非常に近い内容になっています。補助金を受けた経験のある方はよくご存じの内容ですが、
・事業の実施(契約、支払、据付など)は事業期間内に行う必要がある。
・なので、交付決定前に契約や支払はしてはいけない(一部例外あり。後述)
・採択されたあと、補助金支払までの間の報告が結構大変。補助金支払後も5年間は年次報告が必要

という点にご留意ください。

7.事前着手承認制度です。

先ほど述べたように、補助金は交付決定後にしか着手できない、というのが原則です。
しかしながら、この制度を使って事前着手承認を受けておけば、2月15日以降に事業実施したものについても補助金対象費用に含めることができます
ただし、事前着手の承認と採択はまた別物なので、事前着手承認を受けて事業を開始しても、不採択となるリスクがある点はご留意ください。
コロナ禍において、少しでも早く事業再構築にチャレンジしてもらえるようにしようという政策的意図の表れでしょう。

8.準備可能な事項です。

何といってもまずはGビズIDプライムアカウントの取得です。
公募が始まれば、アカウント発行がさらに殺到して発行に時間を要することも懸念されます。
公募が始まる前に必ず取得手続きを済ませておきましょう。
また、事業計画策定には公募要領が出る前から取り組んでおきましょう。
そもそも一般的に、それなりの事業計画を策定しようと思えば1か月以上かけて行うことが通常です。
公募要領が出てからでは非常にタイトになると思われますので、事業計画策定のポイントなどを参考にして、今からたたき台を作っておきましょう。

これ以降の頁は注意事項や事業再構築の例が紹介されています。資料に目を通していただければと思います。

「事業再構築とはどのような取り組みが当てはまるのか」
「事業再構築とは新規事業を行えということなのか」

といった質問をよくいただきます。

正確には「事業再構築指針」が公表されなければわかりませんが、私は補助金の趣旨からしてこう回答しています。

・居酒屋が宅配を始める例や、店舗型ビジネスがネット販売を始めるというようなケースも例としてあがっている。従って、必ずしも新規事業を始めないといけないとは捉えていない
・また、補助対象要件として「自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経済産業省が示す「事業再構築指針」に則った・・・(中小企業等事業再構築促進補助金実施要領より)」という記述もあり、全く関連のない新規事業というよりは、既存の強みを活かした展開であることが重要
・とはいえ、コロナ後の世界に対応する必要があるので、「仮に緊急事態宣言が未来永劫続いたとしても持続可能なビジネス」に転換するというマインドが重要ではないか

特に最後のお話をすると「なるほど」と言っていただくことが多く、そこから当初とは全く違った事業再構築のアイデアをブレストしたりすることも多くあります。

この補助金を、おカネの面だけでなく、実現性の高いビジネスプランを練り上げるチャンスと捉えて、ポストコロナ社会での飛躍に向けて、積極的に活用していきましょう。


「事業再構築補助金の概要」の解説動画もYouTubeにてアップしておりますので、あわせてご覧ください。

(注)本記事には、一部、現時点での情報に基づく予想を含んでいますので、募集要項が出た際には、必ず正式な内容ご確認いただきますようお願い致します。

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